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James Taylor / Mud Slide Slim and The Blue Horizon ('71)

Mud Slide Slim

ジェイムス・テイラー 『マッド・スライド・スリム』

一般的に知られた JT のヒット曲というと、このアルバムに収録されている「きみの友だち」(1971年7月 1位)はキャロル・キングの作品だし、その後の TOP10 ヒット曲も 1975年8月に5位になった「How Sweet It Is (To Be Loved By You)」がマーヴィン・ゲイ。1977年9月に4位の「Handy Man」も Otis Blackwell / Jimmy Jones 作のオールディーズ・ナンバーと、意外なことにカヴァー・ソングが多いのです。

これは JT 自身の作品が 一聴しただけでは覚えられないような複雑な(難解という意味ではなく)メロディー・ラインを持っているため、キャッチーな必要のあるシングル・カットに向かなかったのではないでしょうか。

しかし、その複雑さは味わい深さの裏返しでもあり、これにすらりとした長身に思慮深そうな表情... 小尾 隆さんに「銀色の声」と呼ばれたテナー・ヴォイス... 身の回りで起きたことを書いた歌詞に共感できる部分も多かったりと、JT は魅力のつきないアーティストなのです。


そんな中で、僕が特に惹かれたのが、曲の構成以上に複雑な JT のフィンガー・ピッキング。昔 アコギを弾いてた僕がコピーしようとして初めてくじけたのが「きみの友だち」でした。

特に右手の動きが凄いな … と。ベース音を弾く親指の動きと音に装飾を加えるその他の指の動きがバラバラで、どうしてもリズムを取ることができなかったのです。良く聴いていると、これはギターというよりもピアノだなと … ピアノを弾くときの左手の役割を親指が果たし、右手の役割を人差し指から薬指が受け持っているような … そんな雰囲気を持っています。

これがあれば他の伴奏はいらないのではないかと思ってしまうのですが、バックの演奏がこれまた凄い。前作にも参加していたダニー・クーチ(g)とラス・カンケル(ds)の2人にリーランド・スクラー(b)が加わっています(この翌年にクレイグ・ダーギー(key)が加わり、スタジオ・ミュージシャンが結成したバンドとしては TOTO やスタッフ以前の元祖的存在であるザ・セクションを結成)

JT の右手親指とスクラー&カンケルのリズム隊がシンクロし、人差し指から薬指とクーチのギター・カッティングが絡み合う様はまさに groovy。

キャロル・キンがピアノで好演する「Mud Slide Slim」やジョー・ママ「Machine Gun Kelly」あたりは、演奏だけ聴いていたら とても内省的なシンガー・ソングライターの曲だとは思えないほど。メンフィス・ホーンズのホーン・セクションが勇ましい「強きものは愛」「Let Me Ride」のタイトな感覚は Rock'n'Soul の元祖かとも思います。

また、ジョニ・ミッチェルのハーモニーが瑞々しい「遠い昔」。どこまでもやるせない「ジュークボックスの歌」。昔 遠くに旅立つ友人に贈ったことがある「なつかしき我が家」など。テイラー・メイドと呼ばれる懐の深い曲が並んでいます。

さて。今日は JT のコンサートでラストに歌われることが多い「目を閉じてごらん」を聴きながら... おやすみなさい。

■ member
James Taylor (vo,g,key)

Joni Mitchell (b-vo)
Kate Taylor (b-vo)
Abigale Haness (b-vo)
Carole King (key,b-vo)
Peter Asher (per,b-vo)
Danny Kootch (g,per)
Leland Sklar (b)
Russ Kunkel (ds)
Andrew Love (horns)
Wayne Jackson (horns)
...
■ produce
Peter Asher

■ songs
All songs written by James Taylor
except...
You've Got A Friend (Carole King)
Machine Gun Kelly (Danny Kortchmar)

■ 過去記事
Sweet Baby James ('70)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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James Taylor / Mud Slide Slim And The Blue Horizon ('71)

ジェームズ・テイラーの「Mud Slide Slim And The Blue Horizon」。「You've Got a Friend」の、ジョニ・ミッチェルらによるコーラスが柔らかくてとても気持ちいい響き。全編でアコギがいっぱい鳴ってて、そんでとても

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こんばんわ

ジェームス・テイラー、好きでしたよ。1970年代の作品は割りと好きで昔よく聴いていました。

楽器の弾けない私には到底書けない専門的なレビューですね。勉強になりました。

Cottonwoodhill さん♪

今は全然指が動きません。やはり続けていないと駄目ですね。
Unplugged ブームの時に倉庫からギターを引っ張り出したら弦はサビサビ... 錆びていたのは弦だけではなく腕の方もでした。

Mud Slide Slim

こんばんわ。こちらでははじめましてですね。
「Mud Slide Slim」は、JTの初期のやつでは一番よく聞きました。技術的なことはよくわかりませんが、アコギ1本でも躍動感を感じます。古い話ですが歌詞を読んで、湯川れい子さんが思わず旅に出てしまった(と書かれてた)”Highway Song”が好きですね。
でも次の「One Man Dog」も聞き倒しましたが。

フィニルさん ♪

ようこそおいでくださいました。
Let Me Ride ~ Highway Song ~ Isn't It Nice To Be Home Again と一つのストーリーになってましたよね。
またぜひお越しください♪
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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