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Steely Dan / Can't Buy A Thrill ('72)

Can't Buy A Thrill

スティーリー・ダン 『キャント・バイ・ア・スリル』

昔ラジオで聴いた あの曲は誰の歌だったのだろう... そのイメージだけは掴んでいるのに、曲名はおろかメロディーさえ思い出せない...

好きなミュージシャンのことだけを考えているときはそうでもなかったけれど、しばらくして色々な音楽を聴き始めるようになると、ふとした瞬間、そんなもやもやした思いが頭の中を駆けめぐり始めまたのです。

中には、たまたま友人から借りたアルバムに入っていたり、別の人が歌ったカバーを聞いたことをきっかけに 思い出した曲もありました。ですが、この曲だけは最後の最後まで 目の前に表れてくれませんでした。

巡り巡って このアルバムに辿り着いた時、ラテン風味のパーカッション... グラグラ揺れるエレピの音色... 1曲目のイントロが聞こえてきた瞬間「これだっ」と膝を叩いきました … 「Do It Again」です。

くせ者っぽい歌声... 抑揚のないメロディー... 特徴のあるエフェクトがかかったギター(これがエレキ・シタールの音だということは後で知る)... チープな音色のキーボード... 何やら怪しげで不可思議なサウンドが、僕の深い部分に刻み込まれていたんですね。

しかし、ドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドとジェフ・バクスターが在籍していたバンド … と友人に教えてもらい、これ以前に聴いていた『彩(Aja)』('77)と「Do It Again」が、まさか同じバンドの曲だとは思いもよりませんでした。

『彩』を聴いたときは、スティーヴ・ガッドって凄いな … とか、ラリー・カールトンやジョー・サンプルも入っているんだ … と、スティーリー・ダン以外のことに関心を持っただけで、他のアルバムには手を伸ばさずにいたのですが、この『Can't Buy A Thrill』を聴き進めるうち、スティーリー・ダンというバンドの奥深さを知ることができたのです。


デビューしたてのスティーリー・ダンは、れっきとしたロック・バンドだったことが良くわかる「Kings」「Reelin' In The Years」「Change Of The Gurd」の一体感溢れる演奏。ただし、リズムの取り方を工夫している点が、スティーリー・ダンたる所以か。エリオット・ランドル、ジェフ・バクスター、両ギタリストのぶっ跳んだソロも聞き物の一つ。いきなり正式メンバーではないランドルにソロを弾かせるのも、すでにスティーリー・ダン流か。

そして、jazz タッチのピアノと、カントリー風のスティール・ギターという、普通では考えづらい楽器のコンビネーションが奇抜な「Fire In The Hole」や、スタイルこそ違いますが、前回取り上げたリトル・フィート「Texas Rose Cafe」と捻くれ加減が良く似ている「Turn That Heartbeat Over Again」の斬新なアイディア … これには唸るばかり。

初期ビートルズが好んで演奏していた軽いボサノバ・タッチの曲を思い起こさせる「Only A Fool Would Say That」のハイ・センスぶりもお見事。

また、フェイゲン以外のメンバーがヴォーカルをとる曲が、それらに増して素晴らしい出来。

ほんわかしたオルガンの音色に始まり、柔らかく包まれるようなホーン... そして、フェイゲンとは全く別物の和み系歌声が聞こえてくる「Dirty Work」。スティーリー・ダンの曲を1曲と … 言われたら、間違いなくこれを選びます。

「Dirty Work」と同じくデイヴィッド・パーマーが歌う「Brooklyn」も素敵なナンバー。この人の牧歌的な歌声が大好きなんですよ。次作ではメンバーから外れ、バッキング・ヴォーカルとしての参加のみになってしまったのがとても残念。もう少しパーマーの歌声を聞きたいと、スティーリー・ダン脱退後に結成した Wha-Koo というバンドのアルバムを探しましたが見あたらず。密かにCD化を期待しているのですが...

ドラムスのジム・ホッダーが歌う「Midnite Cruiser」。これはイントロからメロディ、ギター・ソロと全てが本当に良くできた曲。この時代のアメリカン・ロックに共通した良質な手触りを感じます。ホッダーの tight で、良く roll するドラム・プレイも好きでした。

ねじれたPOP感覚に溢れる良いメロディーがたくさん詰った... そして歌とバンドの音が聞こえてくる『Can't Buy A Thrill』。この後のアルバムでは、ますますねじれが加わっていきますが、僕の耳には歌が聞こえなくなっていきます。

■ member
Jeff"Skunk"Baxter (g,steel-g)
Denny Dias (g)
Donald Fagen (key,vo)
David Palmer (key,vo)
Walter Becker (b,g,vo)
Jim Hodder (ds,vo)

■ guest
Elliott Randall (g)
Clydie King (b-vo)
Shirley Matthews (b-vo)
Venetta Fields (b-vo)
Victor Feldman (per)

■ producer
Gary Katz

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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非公開コメント

スティーリー・ダンは、音楽のリスナーと楽器演奏者(プロ・アマ)の両方のファンが多い、数少ないバンドのひとつですよね。

バンドにとってはまさに理想体。
彼等がそれを意識しているかどうかは知りませんが(笑)

しかし、個性的な(アクの強い)ミュージシャンを
これほど巧くコラボレートして、音楽のコンセプトがぶれないバンドもそうないですよねぇ。

こんにちは

oceanさんこんにちは。当ブログへのコメントありがとうございます。リンクさせていただきましたので宜しくお願いいたします。

スティーリーダンいいですよね。この1stも一番ではないですが、かなり好きで結構聴き込みましたね。まだこのころは「バンド」なんですよね。
ちなみにフェイゲンの3rdはまだ買ってませんが、近日中に手に入れようかなと思ってます

▼てつさん
>音楽のリスナーと楽器演奏者(プロ・アマ)の両方のファン
なるほど、そういう見方もありますね~。話は違うかもしれませんが、TOTO はバンド結成前、熱心にスティーリー・ダンのコピーをやっていたそうです(フェイゲン、ベッカーもそれを見に来て、ほめられた … と、スティーヴ・ルカサーが言っていました)

>バンド
スティーリー・ダンには、このイメージが薄くて... フェイゲンはまだしも、ウォルター・ベッカーがどういう人なのか、いまだにわからないんです(笑。ですので、スティーリー・ダンの中後期は、バンドとしてではなく、違う楽しみ方をしています♪

▼ shintanさん
リンクの件、了解いたしました。こちらもリンクさせていただきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

>3rd
レビューを楽しみにしています♪

イタリアン訛り

Ajaまでが大好きですね、Katy Liedも好きなアルバム。Only A Fools Would Say Thatは私の参加しているNWSというユニットでカバーしています。

Billy Joelもそうですがイタリア系の人の発音は刺激的!

Hidekichiさん

現役のHidekichiさんにぜひ伺ってみたい質問です!
てつさんがおっしゃっていた「楽器演奏者」から見たスティーリー・ダンって、どんなバンドだったのでしょうか?

>イタリア系
フェイゲンもそうだったのですか。ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノなど、俳優も濃いですよね~

コメントが遅くなりました。
デヴィッド・パーマーはステーィーリー・ダン以前にミドル・クラス(Myddle Class)というフォークロックバンドにいました。結局LPを残すことなく3枚のシングルなどを出して消えてしまったのですが、bはチャールズ・ラーキーでした。キャロル・キングとゲリー・ゴフィンに見出されたこのバンドのbassがシティで、キャロルと共演するチャールズ・ラーキーなのは面白い偶然です。なかなか聞けないのですが、3曲が、「Good Time Music From Greenwich Village」というコンピで聞けます。確か「魔法のビート」とか言う邦題だった気もします。サイケ調のフォークロックで、スティーリー・ダン色は全くありませんが・・・
ところでワクーですが(以下略)

フィニルさん

>ミドル・クラス(Myddle Class)
ラーキー&パーマー … 本当に興味深いですね~!パーマーはそこでも歌っていたのでしょうか?

>Good Time Music From Greenwich Village
http://www.so-net.ne.jp/mc/columns/dreamsville/021212/index.html ですね? これまた興味深い選曲っ。しかしすでに廃盤のようで... 地道に探してみます。

いや~ 貴重な情報をありがとうございました!
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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