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Eric Justin Kaz / If You're Lonely ('72)

If You're Lonely

エリック・ジャスティン・カズ 『イフ・ユアー・ロンリー』

"ぼく" が寂しくてたまらないとき、"あなた" は、ぼくの気持ちを静めてくれると言いましたよね … と、つぶやくように語りかける「If You're Lonely」。「If You're Lonely」で、行く先を見失った "ぼく" は、誘惑(「Temptation」)に負けてしまい、天に召される夢を見る(「Time Has Come」) … と、ストーリーは綴られていきます。

再び if you're lonely というフレーズが使われる「Tonight, The Sky's About To Cry」。 ぼくは正しいとわかっているはずなのに、孤独にさいなまれる時は心が惑う … 気持ちが弱くなっているときに聴くと、崩れ落ちそうになってしまうほど切ない曲。『If You're Lonely』というアルバム・タイトルは、2曲目ではなく、この曲の一節から取られたような気さえしてきます。

葛藤... 別離... 懺悔... といった内容をテーマにしながらも、重苦しさを感じないのは、カズが作るメロディーの美しさと、朴訥としたカズの歌声があるから。

それに加えて、カズの弾くピアノ... 「Cruel Wind」のスライド・ギター... 「Temptation」のナショナル・スティール・ギターとベース・ライン... 「Tonight, The Sky's About To Cry」の弦楽器... など、簡素ながらも曲を引き立たせる、バックの素晴らしい演奏があるからだとおもいます。


「3度のメシよりCD」の shintanさんからコメントいただいたように、ボニー・レイットの『Give It Up』は北ベトナムの人々に捧げられていました。

このアルバムの1曲目 … 厳かなピアノの音色に導かれて曲が始まる「Cruel Wind」では、愛する息子の死を悲しむ家族の姿を、cruel wind に流されながら見下す "ぼく" の視点を通して、何かに向けて歌われているようです。鳥たちがさえずる教会で、"あなた" がしてきたことを見てきなさい … と。"ぼく" と "あなた" に何を当てはめるかは、読む人それぞれによって違ってくるでしょう。

残された人達の痛みを思いました。心に傷を負いながらも、生き続けていく人達の痛みを。残された人にとって、何も終わっていないのだと...

厳しく追及するでもなく、声高らかにのろしを上げるでもなく、淡々と事実を述べているに過ぎないようなエリック・カズの歌いぶりが逆に、僕の心の深いところを激しく揺さぶるのです。

■ member
Eric Kaz (g,p,hca,vo)

Tracy Nelson (b-vo)
Steve Soles (g,b-vo)
Bonnie Raitt (national steel guitar)
Richard Davis (b)
Chuck Rainey (b)
Tony Levin (b)
Grady Tate (ds)
Ralph McDonald (per)

■ producer
Michael Cuscuna

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ERIC JUSTIN KAZ / IF YOU’RE LONELY 紙ジャケ

初めてエリック・カズの名前を知ったのはもう15年以上前だと思います。僕が大好きなボニー・レイット「Love Has No Pride」の作者が彼だったんですが、当時は彼のアルバムはCD化されてなかったんですよね。98年に名盤探検隊シリーズで初CD化されたのが、72年リリースのこの

Eric Justin Kaz 「If You're Lonely」 (1972)

本日、42歳となりました。単身赴任地での一人だけの誕生日です。こうしたときはじっくりと心に染みる音楽を聴いていたいものです。 レココレ3月号のシンガー・ソングライター特集で名盤100枚がご紹介されてましたが、そのなかの1枚、エリック・ジャスティン・カズのデ?...

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おおッと、これは我が愛聴盤。アメリカ盤も持ってるし、CDも紙ジャケと普通のやつ両方買ったもんね。

ネオンパークさん

大好きだった盤は、ついつい あれもこれもと買い込んでしまいますよね♪

どうもです。

参加ミュージシャンに気になる名前がチラホラ。
Chuck Rainey (b)
Tony Levin (b)
Grady Tate (ds)

聴いてみたくなり、調べたら....
コレ、プレミア付いているんですか?

Richard Davis

Wood bass、Jazz系の人ですね?このKazさんは全く知りませんが、バックはてつさんの言う通り興味深い。RalphのPerc.もいた。

72年って年は・・・

こうしてoceanさんのブログを見てると
72年って年はほんとに素晴らしいアルバムが次々
出た年でしたね。
このアルバムも もうすり切れるくらい聴きました。
3年くらい前に まさかの来日が実現して
私はあの時は 生きててよかった~~って心底思った
のですが
この時も このアルバムから ほとんどやってくれました。彼自身にとっても これはとっても思い入れの深い作品なんだと思います。
それから ピアノと生ギターだけなんだけど
あの温厚そうな外見からは 考えられないくらい
彼の作るgrooveがすごかったんです。
(あ、決してのりのりアクションでやってるってことじゃないよ)
Temptationもすごーーかった。
彼自身の音楽的バックグラウンドの深さも思い知りました。

▼ てつさん、Hidekichiさん
お二人らしいご指摘っ!
Chuck RaineyとTony Levinは...もう説明不要ですねっ。
ボニー・レイット『Give It Up』もプロデュースしている Michael Cuscuna という人が、どうやら Blue Note の方らしく、その人脈から連れてこられたのが、ジャズ系のミュージシャン達だったようです(Richard Davisは、ジャニス・イアン、Grady Tateはポール・サイモンのアルバムでも名前を見かけました)
「Mother Earth」は、Richard Davisのウッド・ベースと、Ralph McDonaldのパーカッションが心地良いナンバーですよ♪
しかしながらCDは、廃盤の模様。昔から東海岸系のアルバムは、なかなか入手しづらい傾向にありましたが、今でもその状況は変わらないのが残念です。

▼ melonpanさん
RCO と言い、カズと言い … 行ってますね~?! まだまだ出てきそうですね♪ 僕は、カズが帰ってから、来日していたことを知りました...(無念っ

>groove
リチャード・ティーのピアノなんかも、物凄い一人grooveですが、melonpanさんがおっしゃるように、音楽的バックグラウンドが、そうさせるんでしょうね~

>72年
リアル・タイムで聞いていないくせに、大好きなアルバムがたくさんある年です。古くて新しい雰囲気の音楽が多いような気が... だからかな♪

名盤探検隊

シリーズでは、これと「ウルル」はかなり売れたそうです。初めて買ったワーナーからのLPは今もありますが、ボニー・レイットのナショナル・スティールに惹かれました。シンプルな音楽がゆえに飽きがこないのでしょうね。

フィニルさん

LP世代の方達の買い直しも多かったのでしょうが、若い方達も相当買っていったと、馴染みのレコード店店長がおっしゃっていました。

>「ウルル」
ジェシ・エドは僕にはエグ過ぎて駄目でした。バックに回ったときのプレイは、好きなのもあったのですが...
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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