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Mother Earth / Bring Me Home ('71)

Bring Me Home

エリック・カズを歌うために生まれてきた女性シンガー … と呼びたくなる、トレイシー・ネルソンが在籍していたバンド:マザー・アースの 『ブリング・ミー・ホーム』

このアルバムでは9曲中4曲が、エリック・カズ作の楽曲。その他、マザー・アースの次作『Poor Man's Paradise』('73)では「Cruel Wind」を。トレイシーのソロ『Mother Earth』('72)では「Mother Earth」「Someday My Love May Grow」、『Tracy Nelson』('74)の「Love Has No Pride」、『Sweet Soul Music』('75)が「Looking For A Sign」と、トレイシーはボニー・レイット以上に数多くのカズ作品を取り上げています。

ボニーは、カズの曲を歌う理由の1つとして「カズの作品には人の痛みが描かれているから」と語っていました。

それに対してトレイシーは、子供の頃、教会の聖歌隊で歌っていたという経験からか、カズ作品に潜んでいるゴスペル的な感覚を強調し、しかもそれは、単にゴスペルの音楽的なスタイルを真似ているだけではなく、神への信仰も含めた精神的な部分にまで深く入り込みながら表現しているように感じます。

エリック・カズ自身は『Cul-De-Sac』('74)で歌うことになる「Deliver Me」では、信じることには痛みが伴うものよ … トレイシーが、そう諭してくれているような気がします。


その他、カズ作品では...

腹の底から絞りだすような歌声に圧倒される「Temptation」。それはまるで地響きが起こるよう。誘惑に落ちていく人達の叫びを表す Yes, I fell (And I fell) というコーラス隊とのコール・アンド・レスポンスが雰囲気を盛り上げています。アレサ・フランクリンが歌ったら、どうだっただろう … と、女王の名前を引き合いに出してしまいたくなるほどの熱唱。

「Temptation」とは逆に、ぐっと押さえた歌唱が感動を呼ぶ「Tonight, The Sky's About To Cry」 さめざめと泣いています。

ジェイムス・テイラー「見よ、こはそも如何に」のカバーも秀逸。カズ作品同様、この曲が持っているゴスペル的な意味合いをデフォルメしており、曲後半の Let it be … というコール・アンド・レスポンスがここでも印象的 (ビートルズの「Let It Be」は、アレサもカバーしていましたが、let it be というフレーズは、ゴスペルの世界では常套句なのでしょうか...)

また、ボニーと同じように、自作曲でも冴えを見せるトレイシー。ゆったりとしたメロディーを持つ「Soul Of Sadness」では、ふくよかで深みのあるトレイシーの歌声を存分に味わうことができます。

ちなみに週刊誌的な話題ですが... トレイシーは、一時期 ボビー・チャールズと共に暮らしていたこともあったそうです。

■ member
Tracy Nelson (p,vo)
John Andrews (g)
Bob Cardwell (g)
Andrew McMahon (key)
Tim Drummond (b)
Karl Himmel (ds)

■ guest
Ben Keith (dobro)
Eric Kaz (hca)

■ songs
・ Temptation Took Control Of Me And I Feel (Eric Kaz)
・ Deliver Me (Eric Kaz)
・ There Is No End (Eric Kaz / J.Andreolli)
・ Tonight, The Sky's About To Cry (Eric Kaz / J.Andreolli)
・ Seven Bridges Road (Steve Young)
・ Lo And Behold (James Taylor)

■ producer
Travis Rivers


ボニー、トレイシー。そして、リンダ・ロンシュタット、リタ・クーリッジが歌う「Love Has No Pride」を聴き比べて、それぞれが持っているスタイルの違いを味わうのも一興かと思います。
Bonnie Raitt / Give It Up Tracy Nelson Linda Ronstadt / Don't Cry Now Delta Lady: The Rita Coolidge Anthology Libby Titus / same

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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MOTHER EARTH / BRING ME HOME

R&Bやカントリー、ブルース、ゴスペルといったルーツミュージックからの影響が強いサウンドで60年代後半にデビューしたバンド「マザーアース」。今日紹介するのは71年にリリースされた5枚目のアルバム。バンドの看板女性ヴォーカリスト、トレイシー・ネルソンのソロ作も含め

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Let it beは歌詞そのものがキリスト教的ですね。
だからアレサも取り上げたんではないでしょうか?
S&Gの「明日に架ける橋」も同様。
ちなみにビートルズの4人はいずれも
アイルランド系なのでカトリックの文化が
染みついているのかも。
(だから歌詞の中に聖母マリアが出てくる)
ちなみに「Temptation」というは単なる「誘惑」
というよりも新約聖書のマタイ伝の中に出てくる
「荒野の試み」のエピソードをのことを示している
と思います。
おそらく英語ネイティブの人たちは、この歌詞を
聴けばそのことを思い出すと思います。

アチア リュウさん

中学校の頃、聖書が配られた記憶があるのですが、眺めていてもさっぱり意味がわからず放り投げてしまいました(笑
ですが、新約聖書のマタイ伝「荒野の試み」というのは、カズが言いたいことを理解する上で興味あります。どんなエピソードなのでしょうか?

聖書・・・

「荒野の試み」=キリストが荒野(砂漠みたいなとこ)で一人いると
悪魔とか いろんな悪の誘いというか 魔の手がキリストの心を試しにやってきて キリストは一人で堪え忍び悪の心をやっつけた・・・みたいな話ではなかったかな・・・?
ちがうか・・・。
よく分からない説明ですみません。私も聖書は学生の頃に読んだきりで 全くうろ覚えです。
アチア リュウさん よろしくです・・。

Mother Earth==Poor man’s paradiceしかもってないんですけど
そこには Cruel Windが 入ってます。
聖書のことは難しいけど これが言いたかった・・・・。

返事遅くなりました。
本来なら聖書の引用をするべきでしょうが
そうもいかないので簡単に説明します。
イエスは悪魔からの誘惑を受けるため
荒れ野に行き40日間昼も夜も断食をしました。
そして40日後空腹を覚えたイエスに悪魔が
こう言ったのです。
「もし神の子ならこの石をパンに変えてみろ」
するとイエスは言われたのです。
「人はパンだけで生きるのではない。
神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」
このあともいくつかあるのですが、
要は神への信仰を自分の欲望のために使うな
ということだと思います
日本では自分のために
よく神社に神頼みに行きますが、
これはキリスト教社会では
考えられないのです。
少なくとも自分のために神様に
祈るということは、優先順位は低いです。
他人のため、隣人のために祈ることが
たいせつなのです。

まぁロックミュージックの歌詞でも
キリスト教の知識や価値観を知っていると
見方も変わってくるでしょう。

ザ・バンドの「ウェイト」も
ほとんど聖書の物語のパロディですし

▼ melonpanさん
>Poor Man's Paradice
ありがとうございます!これも、いずれ取り上げたいと思います♪

▼アチア リュウさん
丁寧に説明いただきありがとうございました!
「Temptation」で、誘惑に負けてしまった主人公が絶望して「罪を許してください」と叫び「誘いを拒むべきだった」と後悔するシーンがあります。ご説明と照らし合わせて考えてみると、人の弱さを感じる部分でもあります。
また、いろいろと教えてください♪

TBありがとうございました

こんばんは!
このアルバムって僕が聴いたトレイシー・ネルソン関連のアルバムのなかでは一番黒い感じがしますね。ゴスペルからの影響が強い迫力ある彼女の歌声はかなり気に入ってます。

このアルバム、今日行ったユニオンでは3000円近くのプレ値がついてました。僕はそこそこの金額で入手できたんでラッキーでした。

shintanさん

TB返し有り難うございました。

黒いですね~ 確かに一番黒い。女性コーラス隊とのコール&レスポンスが、さらにその雰囲気を盛り上げています。
トレイシーの声力には凄い物があります♪
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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