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Jethro Tull / Thick As A Brick ('72)

Thick As A Brick

ジェスロ・タル 『ジェラルドの汚れなき世界』

曲紹介をしようにも、レコードA,B面ともに曲名は「ジェラルドの汚れなき世界」。トータル約44分で1曲。しかもA面ラストとB面の出だしは同じテーマが使われているという手の込みよう。このアルバムを紹介するには、何分何秒あたりのメロディーがどうだとか、演奏がああだとか書かなくてはならないからたいへんです。しかも、秒刻みで目まぐるしく展開していく構成がそれさえも困難にします (ですので、細かいことは省略)

だからといって大袈裟で難解なのかというと全くそんなことはなく、込み入った変拍子があるわけでもなく、いくつかのシンプルな基本メロディーがあり、それらが次々と姿を変えながら演奏されているだけ。クラシックならば変奏曲とでも言うのでしょうか。

と、口で言うのは簡単ですが、これだけの構成を考える方は さぞかしたいへんだったでしょう。しかも、ステージでは寸劇仕立てで演奏されていたというのですから、何をか言わんやです。

わかりやすい反面、聞くたびに新鮮な発見のある44分間。すっかりやられてしまいました。


やられてしまったのは、何もアルバムの内容だけではなく、アルバムにまつわる話にも。

イギリスで行われた子供達のための詩のコンテストで優勝した8才の少年 ジェラルド・ボストック君の作品 Thick As A Brick の内容が、あまりに子供離れしていると恐れられ、12才の少女 メリー・ホワイトヤードちゃんに優勝が振り返られた。その事件をジェスロ・タルが取り上げて、ジェラルド君の書いた詩にイアンが曲を付けたのがこのアルバム … 僕が持っているレコードのライナーにはそう書いてあったし、ご丁寧に 作詞:ジェラルド・ボストックだなんて記載もあった。新聞ジャケットの一面に写っている少年がおそらくジェラルド君なのだろう。そう思い続けていました。

ところがどっこい。ジェラルドなる少年は架空の人物で、実は歌詞も全てイアンが書き上げたものなんだとか。

新聞仕立てのジャケットから何からが、全て用意周到。このアルバムは、ちょっと意味深な歌詞や長尺の曲が続いただけで、やれトータル・アルバムだとか、やれコンセプト・アルバムだとか騒ぎ立てるジャーナリストやリスナーに対する、イアンの痛烈な皮肉だったのです。

昨年購入した紙ジャケのライナーを読み、あっけにとられるやら、失笑するやら。30年以上もひっかけられ続けた僕を見て、これはイアンの汚れなき悪戯だよ … だなんて、くすくすほくそ笑んでいるのでしょうか。憎い男です。ここはイアンの意図を汲んで、細かいことを考えずに楽しんじゃいましょう。

■ member
Ian Anderson (fl,g,vo)
Martin Barre (g)
John Evan (key)
Jeffrey Hammond-Hammond (b)
Barriemore Barlow (ds)
* イアンのフルートだけではなく、メンバー全員が高い演奏力を披露。特にキーボードのジョン・エヴァンが随所で好プレイを連発。
ちなみに、チキン・シャック『Imagination Lady』のベーシスト:ジョン・グラスコックは、1976年頃 ジェスロ・タルに加入し 70年代後半まで在籍していたようです。

■ producer
Ian Anderson
Terry Ellis

■ 過去記事
Aqualung ('71)
Jethro Tull 面白ジャケット

Music Air では、ジェスロ・タル 1977年のライヴが放映されますので、見られる方はお見逃し無く。

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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Jethro Tull - Thick As A Brick

 18世紀の農学者の名前から命名された英国切っての不思議バンドの代表格ジェスロ・タル。そのサウンドは変化に変化を重ね、そして発展していく常に先進的な挑戦を進めていくバンドというのが事実なんだけど、反面なかな

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奇人変人。

イアン・アンダーソン=奇人変人。(笑)
この人、根っからのパフォーマーですよね。
ステージで歌わない時、暇を持て余しフルートを導入、しかも片足奏法。
それがトレードマークに。

このアルバムは、私も見事に騙され続けました(笑)
作り話だったは。

ステージアクトも最高なワイト島のライブも必見ですよね。

てつさん

>奇人変人
それもfakeで、実は理知的?
生まれ故郷のスコットランドでは鮭の養殖をしている … という話も聞いたことがあります。日本でのアルバム売り上げ枚数を聞いて「俺が養殖している鮭の数より少ない」と、ジョークをかましたとか(笑

そう

引っ掛けられ続けてました…。歴史的にその逸話も残っていってくれれば良いんですが、今後も引っ掛けられる人おおいでしょうねぇ(笑)。ただ、それが問題にならないクォリティのアルバムです。

リンク

oceanさんのブログ、ここ数日の間とっても興味深く読ませていただいているので、自分のブログにリンク貼らせていただきます。自分のブログ読者にも読んで欲しいとも思いまして。
よろしくお願いいたします。

フレさん・hiroshiさん

▼ フレさん
紙ジャケのライナーには種明かしが書いてあるのに、帯には「ジェラルド少年の詩をモチーフに…」ですから、まだまだ続きそうです(笑
しかし、ひっかけも半端じゃありませんが、内容はそれ以上に♪

▼ hiroshiさん
リンクの件、光栄です! こちらからもリンクさせていただきました。hiroshiさんのBlog名が「MY SWEET LORD」で、URLには「revolver」とは♪ 今後ともよろしくお願いいたします。

あら懐かし、この新聞!

2回目くらいの書き込みでしょうか。
今日も暑うございます。

今をさること35年ほど?
このレコードを買ったときに歌詞全部覚えよ、と
思ったけどかないませんでした。
しかし、その頃は曲の展開だけは覚えてました。

taparaさん

taparaさんのHNでは、初めまして…かもしれませんが、コメントをありがとうございます♪

>歌詞
覚えようとした意欲が素晴らしい!僕なんて、訳詞でさえ2,3回眺めて放り出してしまいましたから... もし、これをそらで歌えるようになったら、知る人ぞ知る存在になったと想像いたします♪
その努力をなさったからこそ、曲の展開も覚えたのでしょうね~!

しかし、ほんとうに暑い一日でした。今日の夜も寝苦しくなりそうです... お体にはお気を付けくださいますよう。
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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