Aretha Franklin / Aretha Live At Fillmore West ('71)

アレサ・フランクリン 『アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』
ダニー・ハサウェイ『Live』にしろ、B.B.キング『Live At The Regal』にしろ、ブラック・ミュージックのライヴ盤を聴いていると、演奏家達の熱演はもちろんのこと、観衆の敏感な反応、熱狂した歓声のもの凄さの方に驚いてしまうことが多々ありますが、このアルバムも、そんな1枚。


これは、ロックの殿堂であるフィルモア・ウェストが会場で、観衆の多くは白人だったであろうに、この盛り上がり方は尋常ではありません。これが、女王と呼ばれる所以でしょうか。曲のタイトルじゃありませんが、観衆のアレサに対する Respect ぶりが、良く伝わってきます。
【お気に入りの3曲】
★「Respect」
スタジオ・テイクよりテンポを速めた、このライヴ・ヴァージョンには、とことん煽られる。体が小刻みに震えっぱなし。
★「明日に架ける橋:Bridge Over Troubled Water」
以前、何かのTV番組を見て知ったのだが、アフリカでは、サイモン&ガーファンクルのことを知らず、アレサが歌う「明日に架ける橋」がオリジナルだと思っている人達が多い。そんな彼らは、今でも同曲を、大切なチャーチソングの一つとして歌い続けているそうだ。いずれにしても、アレサの歌唱は圧巻。この堂々とした、神々しい歌いっぷりには平伏すしかない。
これに匹敵する同曲のカヴァーとして、エヴァ・キャシディのヴァージョンを推薦。フォーク、ジャズ、ソウル、ブルース全てを吸収した歌声の美しさは、筆舌に尽くし難い。

★「Dr.Feelgood」
ビリー・プレストンの柔らかいキーボードの音色に包まれながら、アレサがじんわりと歌い上げ、後半はシャウトの連続。観衆も僕も、興奮のるつぼに。
そして、もう1曲...
☆「愛への讃歌:Love The One You're With」
曲の中盤、ビリー・プレストンのキーボードと、バーナード・バーディのドラミングの絡み合いに痺れる。作曲者のスティーヴン・スティルスが持っているブラック・フィーリングを、アレサが上手く引き出して … と思いきや、意外と丁寧に歌っているのが印象的。かえって、スティルスのオリジナル・ヴァージョンの方が黒っぽいかもしれない。
■ member
Aretha Franklin (p,vo)
Ray Charles (p,vo)
Cornell Dupree (g)
Billy Preston (key)
Bernard Purdie (ds)
King Curtis (sax)
Wayne Jackson (tp)
Andrew Love (sax)
Tom Dowd (Horn Arrangements)
…
■ songs
・ Respect (Otis Redding)
・ Love The One You're With (Stephen Stills)
・ Bridge Over Troubled Water (Paul Simon - Simon & Garfunkel)
・ Eleanor Rigby (Lennon / McCartney - The Beatles)
・ Make It With You (David Gates - Bread)
…
■ producer
Jerry Wexler
Arif Mardin
■ 過去記事
・ Amazing Grace - The Complete Recording ('99)
trackback
Aretha Franklin - Lady Soul
アメリカを代表するソウル歌手として今でも現役のアレサ・フランクリン。こないだWWEのレッスルマニアを見ていたら冒頭にアレサ・フランクリンのピアノと歌と合唱によるライブを持ってきてて、そこでも見てしまったんだ
コメントの投稿
本当に
この時期のソウル・ミュージックのライブには名作が多いですよね。アレサ、キング・カーティス、カーティス・メイフィールド、ダニー・ハザウェイ。。そしてみんな共通して言えることは、所謂白人アーティストの楽曲をやっているんですよね。
俺はソウルにはそんなに精通してないんですが、この辺の何枚かは大好きです。
俺はソウルにはそんなに精通してないんですが、この辺の何枚かは大好きです。
kura_moさん
僕もソウルを聴き始めたのは遅くて
まだまだ知らないことばかりです。
>カーティス・メイフィールド
インプレッションズ時代の曲は気に入っているのですが、ソロ作となると、何枚か聴いて馴染めず諦めてしまいました。
>キング・カーティス
一度はまともに聴かなくては…と思いつつ、未聴なんです。ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」なんて演っちゃってるんですよね~。どういう選曲なんでしょう(笑
まだまだ知らないことばかりです。
>カーティス・メイフィールド
インプレッションズ時代の曲は気に入っているのですが、ソロ作となると、何枚か聴いて馴染めず諦めてしまいました。
>キング・カーティス
一度はまともに聴かなくては…と思いつつ、未聴なんです。ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」なんて演っちゃってるんですよね~。どういう選曲なんでしょう(笑
Arethaって
Queen Of Soulと言われるだけのカリスマ性、歌唱力、そしてあの鋭い切り裂くようなハイトーン、野太い低音~唯一無比なのですよ。
オマケにArethaのバックをやった後みんなメジャーになって行きます。
当時白人のカバーが多いのは商業的には仕方の無い戦略だったと思われます。
私的には白人の曲を黒人が歌うとどうアプローチするのか、歌唱法を見つけるための指針にしてたので非常にありがたかったです。
オマケにArethaのバックをやった後みんなメジャーになって行きます。
当時白人のカバーが多いのは商業的には仕方の無い戦略だったと思われます。
私的には白人の曲を黒人が歌うとどうアプローチするのか、歌唱法を見つけるための指針にしてたので非常にありがたかったです。
hidekichiさん |
互いに近づきあう時代だったんですね~ そして新しい音楽やリズムが生まれる。
今考えると、ほんとうに凄いことだったのだと思います。
今考えると、ほんとうに凄いことだったのだと思います。