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Kate Wolf / Close To You ('81)

Close To You

ケイト・ウルフ 『クロース・トゥ・ユー』

【90年代の25枚】の選考中、ナンシー・グリフィス『遠い声:Other Voices, Other Rooms』('93)を候補にしていましたが、ナンシーのことを調べてみると、彼女は1970年代の後半にデビューしていたベテラン・フォークシンガーであることがわかり、それを選ぶ条件として「1990年以降にアルバム・デビューしたソロ・アーティストやバンドだけに絞る」と宣言をした僕は、やむなく『遠い声』を選から外したのでありました。

ナンシーが影響を受け、敬愛し続けているという SSW 達の曲を歌った『遠い声』は、カントリー・ミュージックを独自のスタイルで昇華していったエミルー・ハリスのものとは異なり、生真面目なまでにフォークの伝統を貫いた真摯な作品でした。

ナンシーが取り上げた楽曲は … アーロ・ガスリーをゲストに迎えた、タウンズ・ヴァン・ザント作「Tecumseh Valley」。作者本人のボブ・ディランがハーモニカを吹いている「スペイン革のブーツ:Boots Of Spanish Leather」。これも本人がヴォーカルを取っている、ジョン・プラインの「Speed Of The Sound Of Lonliness」。楽しさ一杯のウッディ・ガスリー作「Do Re Mi」。ジャニス・イアンの「This Old Town」などなど … 僕が知った名前が並んでいたのも、ナンシーの『遠い声』を、僕の近い存在にしてくれた1つの要因でした。

そのアルバムでトップナンバーを飾っていたのが、今回ご紹介する、ケイト・ウルフの曲「Across The Great Divide」。エミルー・ハリスをゲスト・ヴォーカルに迎えた、その曲におけるナンシーの歌声は、山の頂上から中腹にかけて咲く可憐な山野草や、あちらこちらから湧き出す清涼感に溢れた清水の流れ。そしてマイナスイオンをたっぷり含んだ空気 … といったものを連想させるものでした。


ケイト・ウルフ本人の歌声を聴いてみたいな … と思ったものの、その後、すっかり忘れたまま時だけは流れ、つい先日、「音楽系おやぢの買物日記」の おやぢ様から、ケイトは、ナンシーやエミルーと大親友であったことなど、【ここで】色々と教えていただき、さらには、おやじ様が選んだ【80年代ロック・アルバム・ベスト】では第1位に輝いていた、ケイト・ウルフ『Close To You』 … やっと聴くことができました。

ケイトの歌声には、川の中流から下流かけて見られる風景のように、おおらかでゆったりとした、何事も容認してくれそうな包容力のある豊かな水の流れ。そして、その川沿いに咲く色とりどりの花々を優しく揺らす風が頬を撫でるような感触 … という印象を受けました。

1981年という年に、このようなアルバムが出ていたなんて...。ある意味、信じがたく。別の意味で必然的だったような気がしているのです。

山や川... ケイトが暮らしていたカリフォルニア... 友情と愛... といったテーマを、訥々と歌っている。

どの曲も、聴けば聴くほど染み込んでくる。ケイトの暖かく素朴な歌声に包み込まれていく。たおやかな時間が過ぎていく。

そんな中、決まった曲のところで、僕は胸が痛くなる。

ケイトは「Unfinished Life」と歌っていたのに、1986年、白血病のため44年間の短い生涯を終えたのでありました... R.I.P.
Kate Wolf

おやじ様。素晴らしいアーティストと出会うことが出来ました。ほんとうに有難うございました。

■ member
Kate Wolf (vo,g,12 strings-g)

Tony Rice (b-vo)
Nina Gerber (g,b-vo)
Ford James (b,b-vo)

■ songs
All songs written by Kate Wolf, except...
・ Friend Of Mine (K.Wolf / Nina Gerber, Ford James)

■ produce
Bill Griffin
Tom Diamant

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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80年代ロック・アルバム・ベスト100

さて、レココレ誌創刊25周年企画の最終回、80年代のベスト100が発表されました。第1位はトーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ライト」。いかにもレココレ誌らしい1位って言えるのかな?25枚選んだ中でランクインしていたのはフェアーグラウンド・アトラクショ

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ocean様

こんばんは。
記事でご紹介いただき、ありがとうございます!
ケイトのピュアでハートフルな歌声にはホント
癒されます。
個人的には、最近、ブロガーの皆さんの記事を参考にして、CDを買う機会が増えていますが、自分の記事を参考にしていただき、ほんとに記事を書いた甲斐があったと喜んでおります。
また、oceanさんのナンシーやケイトに対する愛情溢れる記事、楽しく読ませていただきました!

>1981年という年に、このようなアルバムが出ていたなんて...。
80年代の音楽シーンを考えると、ホント奇跡のようなアルバムですよね。また、oceanさんがおっしゃられるように、当時ケイトのようなピュアでナチュラルな音楽を求める声も決して大きくはなかったかもしれませんが、確実にあって、必然的にリリース
された作品といってもいいかもしれませんね。

ケイトの生涯は短いものでしたが、彼女の残した素晴らしいメロディはナンシー・グリフィスやメアリー・チェイピン・カーペンターなどの素晴らしいシンガー達に歌い継がれているのがせめてもの慰めですね。

おやぢ様

暖かいコメントを有難うございます。

おやじ様同様、僕自身も本屋さんに並んでいる書物は、たいてい立ち読み程度で済ませてしまい、僕がいつも訪問させていただいている皆様の記事を頼りに CD を購入する頻度が高まっています。

ケイト・ウルフについては、おやじ様の記事を拝見したことがきっかけで、僕の記憶の中に留まっていた Wish List から、現実の cart に入ることになり、そして購入するに至りました。

試聴段階で、すでに、これはっ … という感触を得ていましたが、ケイトの歌声が実際にスピーカーから流れてきたとき、僕の胸の中にじんわりと静かな感激・感動が沸き上がってきました。

おやじ様には、重ね重ね感謝いたします。そして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

「ホーム&ヒューマン・ナビ」の…

white さんに、こちらで僕の頁を取り上げていただきました。
http://home-and-human-navi.blog.ocn.ne.jp/genki100/2007/12/real_life_rock__2ae3.html
white さん、どうもありがとうございました!
Profile

ocean

Author:ocean
◆ 2009年10月
Sony DSC-HX1 写真を撮り始める
◆ 2010年4月
PENTAX K20D でデジタル一眼デビュー
◆ 2014年6月
PENTAX K-5IIs へ機種変更
◆ 2014年10月
OLYMPUS OM-D E-M10 追加入手

その他、中学生の頃に井上陽水、The Beatles、Eric Clapton で音楽の素晴らしさに目覚めて以来、ず~っと聴き続けています♪

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